11月10日 さよならパーティー

今日は11月19日で、11月10日から1週間以上が経ち、HandSawPressの安藤&菅野も大塚を離れ、日々の忙しい日常に戻りました。

11月10日、ひらけ!ガリ版印刷発信基地の最終日。少し落ち着いた今、この日を振り返ってみても、会期中で一番の盛り上がりで、熱狂のなか幕を閉じた最終日だったと思います。街に開かれたスタジオとして、人が集まり、Zineをつくり交換する。大人も子供も、国籍もユニークで、知らない人と出会い、話し、自分で作ったZineを渡し、他者の考えと出会う。私たちが思い描いていた場に、この基地がなっている。そして、目の前に、そんな幸せな場がまだ在って、自分はまだここに居る…という喜びを実感していました。

会期の中盤、2週間過ぎたあたりから、近所の小さな赤ちゃん連れのお母さんや、こども達が増えてきました。自分が作ったZineを学校で配って人気者になって増刷しに来てくれた少年や、幼稚園でZineを友達から貰って自分も作りたいと来てくれた女の子、小さな赤ちゃんをおんぶしながら、得意なイラストのZineを完成させる女性、子育て仲間とZineを作りたいと試作に来るお母さん。基地のことが段々と近所に知れ広がっていたようです。

最終日もオープン前からたくさんの子どもや学生、大人達が来てくれて、スタジオに入りきらずに道路でZINEを作る子もいる状況でした。

お別れのあいさつに来てくれたり、差し入れを持って来てくれる人も多く、私たちもさよならパーティーということで、やかんでお湯を沸かし、紅茶を飲んでもらいながら語り合いました。

1カ月お世話になった気持ちを込めて、大塚での出来事や思い出をまとめたPhoto Zine を製作。朝から印刷始めて出来立てホヤホヤです。

道路で丁合するヘマさん

私個人的にも、この滞在中にいくつか作りたいZineがありました。その一つは、ガリ版印刷発信基地で知り合ったオランダ人の留学生ヘマさんと基地の近くにある面白いバーバーショップをテーマにしたスケッチZineです。

10/30に、ヘマさんとバーバーの店をスケッチに行ったときの様子

お店のインテリアがとても気に入り、ぜひこのバーバーのZineを作りたいと2人で思いつきました。バーバーのオーナー、前山さんが「俺は銀座みたいなカッコつけた店は好きじゃないんだよね。この店は浅草レトロスタイルなんだよ!」と語ってくれことがすごく心に響き残っています。

最終日、完成したZineを届けることができた。

もうひとつ作りたいZineは、大塚北口のペンギン堂本舗のオーナー高野さんが続けている消しゴムハンコをZineにすることです。

まだまだ、たくさんあるらしい。

消しゴムハンコは全部紙に押せたものの、最終日までにZineを完成させることは間に合いませんでした。消しゴムだけ返して、武蔵小山に戻ってからZineは完成させようと思っています。

本当はゆっくりと期間中集まったZineを眺めながら、集まった人たちと語らおうと思っていた最終日のさよならパーティーですが、とにかくたくさんの人が「まだまだZineをつくりたい!」と溢れ、リソグラフの機械を絶え間なく回し、終了時間を大幅に延長しても印刷が終わらないというバタバタの中、基地は終了したのでした。

翌日、理想科学工業さんが貸してくださっていたリソグラフ機を引き取りに来て、基地の片付けも1日であっけなく終わりました。

片付けをしている時、近所に住んでいて、紙問屋業を営む斉藤さんが顔を出してくれました。斉藤さんは、この基地の賑わいを見ていてくださり、最後の週にZine用の色紙をたくさん提供してくれました。最終日に作った「1ヶ月間お世話になりました思い出photo zine」の紙は斉藤さんから提供いただいたものです。

このブログを更新する時間がないほど、慌ただしく駆け抜けた「ひらけ!ガリ版印刷発信基地」開催1ヶ月間。準備期間を含めると、5ヶ月ほどの活動でした。終わってしまうと、どんどんと記憶が薄れてしまい、素晴らしい日々の出会いや出来事、感動や気づき、思ったことなどは葬られてしまいます。

少しでも思い出して、もう少しこのブログに遡って書いて、留めておきたいと思っています。

11月3日 カレーノートワークショップ

この日は、10年間カレーのZineを作っているカレーノートの宮崎希沙さんと、大塚バージョンのカレーノートを完成させる日でした。

まずは、宮崎さんからカレーノートの話と、書くポイントを聞きます。

そのあとはいよいよ、大塚の町に繰り出して、自分で気になるカレー屋に食べに行きました。

私が食べに行ったカレー屋のパキスタンの店員さんにも、おススメのカレーをカレーノートに書いてもらった。

はじめて大塚にきた時から、インド、パキスタン、ネパール、ベトナムと、多国籍な町だと思ったので、基地からの徒歩圏内にいろんなカレー屋がたくさんあって、参加者それぞれ散らばって行きました。

戻ってきて、みんなでノートに書き込み中。

印刷して、束ねて、ホチキスで留めて、完成です!すごい厚さの大塚版カレーノートができました。

11月2日 BL is Dope

この日は、ミュージシャンのニイマリコさんと、OLのヒロポンさんという、BL好きの2人によるトーク企画「BL is DOOP」でした。

この人気トーク企画には、前から気になっていましたが、あまりBL(Boys Love)にはまって来なかった身としては、なかなか参加する機会がなかったので、今回、ガリ版印刷発信基地で開催してくれることになり、とても楽しみにしていた企画でした。

トークは思っていた以上に社会派な内容でした。BLのこんなマンガが好きとか、こんな設定がたまらないとか、そう言う話なのかと思っていたけど、とんでもない。世の中の事をBL的な視点で観察して考えてみると言った内容。映画や音楽や社会問題など、テーマは様々。BL的な視点で見ることは、あたりまえの視点を疑い、もっときめ細やかく、丁寧に、優しく世の中に寄り添うよう姿勢だと思いました。

とにかく、ニイさんとヒロポンの話が面白くて、4時間くらい喋りっぱなしなのに、全然物足りないないほど。あと、話を聞いていて、観たいと思った映画が増えました。

10月31日 小学校と幼稚園の授業ふたたび

10月31日、この日は朝8:30からインターナショナルスクールの3年生と4年生の美術の授業に参加しました。

先週は1,2年生のクラスで大きな絵になるポスターを作る授業を行いました。今回は3,4年生ということで、生徒がそれぞれ自分のZineを作ることに挑戦です。

紙を渡されて「自由に好きなものを書いてみよう」と言われても、なかなか手が動かない生徒たち。好きな動物、夏休みの思い出、自分の紹介など、なんでも良いとアドバイスしても全く手が動かないまま時間が過ぎていきます。I-padをみて好きなアニメのキャラクターを検索するけど、見てるだけで描くことはしない生徒…。

1.2年生の時はみんな勢いよく描き出したので、ギャップに戸惑いました。

後に先生のひとりが話してくれたのは、「小さな学校で、美術の先生は居なく、幼稚園の時から同じ仲間。小学校以前の育ち方もバラバラで、いわゆる日本の義務教育や、幼稚園のような環境で子供の時から自由に絵を描くことをして来なかった子も多い。」とのことでした。

しかしそこは、きっかけを見つけ、少し火が着くと、テンションが上がる子供たち。なんとか仕上げてもらい、ガリ版印刷発信基地に移動します。

大塚の商店街の中をみんなで移動。

基地で、今書いた原稿を印刷しました。

印刷すると、なかなか良い仕上がり!

11:00からは、先週伺った幼稚園の子ども達が基地にやって来ました。

先週折り紙で作った、イスラム模様をイメージしたコラージュの印刷を見学してもらいました。

印刷の見学が終わって、幼稚園に戻ります。

印刷をした模様を壁に貼りました。

そのあとはみんなの模様を一枚ずつ束ねて本を作りました。みんなで丁合作業も大変。大騒ぎ!
貼った壁の前で記念写真
幼稚園のみんながお礼にくれた色紙

10月27日 読めないマンガをつくろう

10月27日、今日は秋元机さんと、ワダヨシさんによるトーク&ワークショップです。

前半のトークは、外国のチラシや段ボール、古い印刷物を集めてコラージュしたり、どこかの国にありそうな架空の文字を描いたイラストやマンガ作品をつくっている秋元さんの作品を敬愛するワダヨシさんが案内役となり秋元作品の魅力について語るトーク。

秋元さんが海外で買い求めている印刷物やコラージュ作品を沢山持って来てくれました。

後半はワークショップ。秋元さんが描いたキャラクターや読めない文字、吹き出しをコラージュして4コママンガを作ります。

真剣に切り貼り…

みんなの1ページを印刷してまとめて表紙をつけて、1冊のマンガ本が完成!

秋元さんがほぼ日で不定期連載しているマンガのキャラクターが表紙

読み応え?のあるマンガ本になりました!

10月26日 デザイン学校の教室になる

この日は12:30からミームデザイン学校のブックデザインコースの秋山伸さんの授業の教室として、ガリ版印刷発信基地に受講生のみなさんとデザイナーの秋山さん、校長の中垣信夫さんがやってきました。

脚立に座って話す秋山さんと路上から見守る中垣さん

秋山さんの授業のテーマは「場」から出発する。秋山さんのテキストの一部を掲載。

『現場は、デザイナーの構想を実物に再現するための場所であること以上に、創造的なアイデアの源泉たりうるからだ。その可能性を手に入れるには、現場に行って未知なるものに出会うこと、そしてそこに身をおいて手を動かすことが重要だ。』

最初の授業は武蔵小山のHand Saw Pressが教室で、次はF/T開催中ということで、大塚のガリ版印刷発信基地が教室になりました。どんな本が生まれるか楽しみです。

10月25日 ゆる飲み文学会

10月25日。今日はHandSawPressの人気企画、シャラポア野口のゆる飲み文学会でした。

HandSawPress で毎月行っている読書会。普段はミュージシャンであり文学青年のシャラポアくんが進める、渋い純文学を読んでいるのですが、精神科医の神田橋條治先生の本がよいので読んでみようということになったら、これがとても面白い本でとても盛り上がりました。

知り合いの精神科医で、同じくミュージシャンの星野概念さんにこの話をしたら、

「まさか、医者以外の、しかもミュージシャンとかデザイナーからこの本の話が出るとは思わなかった!僕は神田橋條治先生で論文を書こうと思っているほど傾倒しているんです。今度僕もその読書会参加したい!」

とこちらもまた盛り上がり、今回F/Tで念願だった、神田橋條治読書会を再開したのです。

シャラポアくんの幼稚園からの幼馴染、ニイくんは、普段古本屋業を営んでいる文学青年で、そもそもシャラポアくんにこの神田橋條治を勧めた本人です。彼は神田橋條治の本を鬱っぽく辛い時に読んで、からだと心の状態を取り戻したとのこと。

この本は、からだと心の話で、特に言葉による概念をファントムと呼び、ファントムに人は支配されているが、ファントムとうまく付き合い、からだと心のバランスを保つことの話を書いています。

みんなからの質問に精神科医的立場から答える星野概念さん
概念さんセレクトの奈良吉野の酒、花巴を飲みながら話しが広がっていきます。

再来週の第2夜は、感想文を持ち寄って話すことに。みんな書いてきてくれるのだろうか…?

10月24日(3) BarZINE 高野ひろしさんとトーク

幼稚園でのワークショップが終わったあと、通常のオープンがあり、さらに夜からはBarZINEもあるという、フルで催しがあった1日。最後のBarZINEは向かいのクラフトビールバーでのトークです。

第2夜目のゲストは、大塚北口で家業のガラス屋さんを営みながら、ペンギングッツのお店の店主も務める高野ひろしさん。

大塚のリサーチを初めてら2回目くらい、7月始めにみんなで面白そうな店だからと、なんとなくいってみたのが出会いでした。

お店の商品がほとんどペンギンものだったり、手作りのミニ本が置いてあったりと気になって話しを聞くと、なんと15年以上ミニコミを続けていたり、町歩きの雑誌のライターをしていたりと、まさにZINESTERなおじさんでした。

今は、高野金治郎商店というミニコミを発行しているけど、1年前に発行したきりだというので、ガリ版印刷発信基地で印刷するから最新号を書いてくれることになり、今回その発行に合わせてトークのゲストにも出演してもらうことになりました。

高野さんが、1983年くらいから続けている「イカの筋肉」という手書きのミニコミの過去のファイリングをたくさん持参してきてくれて、みたらなんと400号越え!様々な雑誌への掲載を変遷して続いたらしく、雑誌でも手書きスタイルは続けており、さらに毎回違う消しゴムハンコの印まで押された一枚の積み重ねに、続けることの重みを感じました。

高野さんは生まれも育ちもずっと大塚。大塚の昔と今の話しになり、

「昔は良かった、と言う人もいるけど、都市というのは変わらないといけないものだと思っているんだよね。変わってもそこでまた面白いものや人を見つけながら住んで行くのが大切だし、僕はそうありたい。」

という話が、とてつもなくグッと来て感動してました。

ペンギンのFRP製の置物(銀之輔)を連れて町歩きしている高野さんの前向きな視線に励まされ、ぐいぐいとビールの進む夜でした。

次の土曜日に銀之輔がガリ版印刷発信基地にも来てくれました。

10月24日 (2) 幼稚園にワークショップに行く

10月24日は、小学校のワークショップが8:30から10:05まであり、なんとその後も11:00からマスジド大塚の隣にある幼稚園にも伺ってワークショップをしました。4歳と5歳の子供たちです。

イスラム模様を作るワークショップ。モノトーンの折り紙を切って貼って、ガイドの幾何学図形が書いてある紙に貼っていきます。

午前中に授業をした小学生と、1歳か2歳しか変わらない子どもたちですが、先生の言うことを聞いたり、椅子に座って工作したりと、できることの差を改めて実感。子どもの成長の早さってすごいんだな。

ぐちゃぐちゃになりながらも、みんなやり遂げました!

1時間の授業でしたがヘトヘトに。幼稚園の先生の大変さが身にしみました。毎日何時間も子ども達に寄り添う先生たち、本当に尊敬です。

来週、ガリ版印刷発信基地にみんなが印刷に来てくれます。どうなることやら!?

とにかく楽しみです。